【福祉経営者が読む「私の履歴書」】小さな違和感が真実を動かす|村木厚子さん(3月6日分)

その一歩が未来を変える

このシリーズは、
日経新聞「私の履歴書」から
福祉経営者として心に残った一節を紹介し、
タガイトの支援観と重ねて考える連載です。

村木厚子さんの拘置所生活の中で、
裁判に向けた準備が始まりました。

検察側から開示された証拠資料は、
積み上げると 80センチほどにもなる大量のものだったそうです。

時間はある。
ならば すべて読み込もう。

そう決めた村木さんは、
すべての資料を 2回ずつ読む ことにしました。

さらに、

何月何日に何があったか
出来事をノートに整理していきます。

そして

客観的な証拠があるものには印をつける。
証言だけのものには印をつけない。

事実と推測を分けて整理する。

その作業を続ける中で、
ある捜査報告書に違和感を覚えます。

そこには、
証明書データが入った フロッピーディスク(FD)
作成日時が記録されていました。

作成日時
2004年6月1日

しかし検察の筋書きでは、
証明書発行の依頼があったのは 6月上旬

日時が合わない。

この小さな違和感が、
やがて 検察による証拠改ざん事件へと
つながっていくことになります。

では、なぜこの矛盾に気づけたのか。

村木さんはこう語っています。

それは
「名探偵コナン」のおかげだと。

コナンから学んだことは

「それらしく見えること」と
「客観的な事実」は違うということ。

血を流して倒れている人のそばに
ナイフを持った人がいても、

その人が犯人とは限らない。

大切なのは、
客観的な事実を冷静に見分けること。

拘置所の中での資料整理は、
まるでコナンの謎解きのようだったと
村木さんは振り返ります。


今日のひとこと

人は「それらしく見えること」に
流されてしまうことがある。

だからこそ、
事実を丁寧に見ることが大切だ。

その小さな気づきが、
未来を変えることもある。