【福祉経営者が読む「私の履歴書」】「村木さんはどうしたい?」|村木厚子さん(3月7日分)

その一歩が未来を変える

このシリーズは、
日経新聞「私の履歴書」から
福祉経営者として心に残った一節を紹介し、

タガイトの支援観と重ねながら
学びを整理していく連載です。

村木さんは2009年11月、
約半年ぶりに拘置所の外に出ました。

保釈です。

ホテルの部屋で、
次女と二人きりになったとき、
娘さんが泣きながら抱きついてきたそうです。

その「ぎゅ」という抱擁が、
どれほど励みになったことでしょう。

しかし、日常はすぐには戻りませんでした。

体重は6キロ減り、
体力も落ち、
人の目も怖くなった。

ベランダの鉢植えは枯れていました。

半年という時間が、
日常を大きく変えてしまっていたのです。

それでも、
仲間や近所の人の励ましによって
少しずつ日常を取り戻していきます。

そんな中で印象的だったのが、
弁護団を率いる弘中惇一郎弁護士の言葉でした。

「村木さんはどうしたい?」

専門家である弁護士が
何度も本人に問いかける。

その姿勢から村木さんは
大切なことに気づきます。

これは
自分の裁判であり、自分の人生の闘いだ
ということです。

もし結果が悪かったとしても
誰かのせいにはしたくない。

だからこそ
自分で決めることが大切なのだと。

そして後に
福祉の現場に戻ったとき、
この経験を思い出したそうです。

福祉の世界では、
利用者のためを思って
支援する側が決めてしまうことがあります。

しかし本当に大切なのは

本人が自分で決めること。

支援とは
人生を代わりに決めることではなく、

本人が
自分の人生を選ぶ力を
取り戻すことを支えること。

改めて
そんな原点を考えさせられる一節でした。


今日のひとこと

自分の人生は、
自分で決める。

だからこそ
人は前に進める。