※本記事は、当事業所から就職された方にご回答いただいたアンケートをもとに構成しています。引用部は原文のまま(誤字のみ修正)掲載し、企業名は伏せています。

お名前:西岡瑞希(仮名)
- 年齢/性別:20代/女性
- 特性:自閉症スペクトラム障害
- 利用期間:12ヶ月
- 就職先(業種/職種):一般企業/清掃系
インタビューの見どころ
大学3年時に自身の発達特性を意識し、大学支援だけでは足りないと感じて通所へ。プログラムの「過去分析」を通じて配慮事項まで含めた自己分析を深め、コミュニケーション訓練とアンガーマネジメント(“6秒待つ”)を日常で実践されています。こだわりによる“時間が伸びる”課題には、固定・可変それぞれにリマインダー/アラームを使って時間意識を習慣化した点などをお話しいただきました。
––––自分の特性に向き合い始めたきっかけは何でしたか。
利用に至った経緯としましては、大学の3年時に、専攻していた精神保健福祉の分野で、自分も発達障害に該当するのではないかと疑念を感じたことや小、中学生の頃から母からも何かしら発達や精神関係の障害があるのではないかと言われていたこともあり、受診をしました。
––––就活期、追加の支援が必要だと感じた背景を教えてください。
就職活動をする中で、大学だけでのサポートだけでは足りないと感じ、お世話になっていた就職支援センターの方に相談し、ディーキャリアをお勧めされたことがきっかけで、4年時から通所をしていました。
––––通所して良かったことはどんなことですか?
利用してよかったことは、一言で言うなら、「自分と向き合うきっかけ」になったことです。
––––具体的には、どのような気づきがありましたか。
当時はまだ、障害者枠の事は考えていましたが、必要な配慮等についてはあまり考えたことがありませんでした。
ですが、ディーキャリアのプログラムには、過去分析など、自分と向き合わなければならない場面も多いため、プログラムを通して、自分と向き合う中で、自己分析をする(配慮事項や、周りへの影響等を考える)ことの大切さを学ぶと同時に、自分は配慮がなければ厳しいだろうなということに気付くことが出来たので、通所をしてよかったなという風に思っています。
––––日常のコミュニケーションで意識していることは?
例えば、相手と会話をする際に、私は話が長くなってしまいちだったり、一方的に話をしてしまうことがあったのですが、ケースワークや面談などを通じて、メモの活用や話す目的や話すことで起こるメリットを考えるようにしたことで、話が長くなってしまったり、一方的に話をしてしまうことが減ったように感じます。
––––感情のコントロールで役立った手法はありますか。
アンガーマネジメントの訓練で学んだ6秒待ってみるという手法は、最初はなかなか行動に移すことが難しかったのですが、意識をするようになってからは、感情が表に出る回数が少し減り、それによって怒ることで疲れてしまうことも減ったような気がしています。
––––ご自身の特性への対処を身につけることができましたか?
私の短所は、こだわりが強く、1つの仕事に集中しすぎて周囲が見えなくなってしまうことがあるという点です。例えば、1つのページの作り込みに時間をかけすぎてしまったり、作業時間が長くなってしまい、学生時代の先生やバイト先の方から注意を受けることもありました。
しかし、最近では、時間配分に気を付ければいいのだと気付き、それを改善するために、家を出る10分前や作業開始後5分前など、毎日固定で行うものに対しては、リマインダーを設定し、イレギュラーに対しては、あらかじめ行動にかかる時間を逆算し、アラームを設定しておくなどし、時間を意識する癖付けをしています。
––––これから利用を考える人・通所中の人に伝えたいことは。
会社や仕事内容が変われば全然違い、ほとんどの方が新しい環境で働かれているので、前職の経験がすべてではなく、新しい会社で何をしたいのか、できるのかが大切という言葉やえいっと一歩を踏み出すということが大事という言葉が特に印象に残っています。
「前職の経験がすべてではない」という言葉をもらったことで少し気持ちが楽になりましまた、えいっと一歩を踏み出すということが大事という言葉は最初はピンと来ていませんでしたが、今では、考えているだけでは意味がない、えいっと一歩を踏み出してごらんと言われ、あの時、説明会等に参加しておいてよかったなと思っています。
私が通所中にしておけばよかったなと感じることは、「資格の勉強」です。…資格は早めに取っておいて、損はないと思いました。…入社後の自分の可能性を広げる際に役立つものではないかと考えています。
事業所スタッフからのメッセージ
「配慮事項まで含めて自己分析する」「話す前に目的とメリットをメモする」「感情が強まったら6秒待つ」「固定はリマインダー/イレギュラーは逆算アラーム」——こうした行動変化を地道に積み上げた姿勢が、とても印象的でした。
環境が変わっても、同じ手順で大丈夫です。うまくいかない日が来たら、まずメモ、そして6秒。時間の合図を置いて一歩ずつ。あなたが通所期に身につけた“整える手順”は、これからの現場でも確かな味方になります。
ディーキャリア福岡で、あなたらしい働き方を見つけませんか?
就労移行支援について「自分には向いているのだろうか」「具体的にどのような支援を受けられるのか」といった疑問をお持ちの方は、ぜひ一度見学にお越しください。
ディーキャリア福岡赤坂オフィス・ITエキスパート福岡大濠オフィスでは、随時見学を受け付けています。お問い合わせは、メールでのご連絡が多く、担当するスタッフからご返信させていただきます。
その他電話やLINEからもご連絡いただけます。
私たちの2つの事業所をご紹介します
ディーキャリア福岡赤坂オフィス
自己理解とコミュニケーションスキルの向上を重視したプログラムを提供しています。セルフケアや障害特性について学びながら、長期的に安定して働ける土台作りをサポートします。
実際の職場を再現した環境で、上司や先輩への報告の仕方やホウレンソウを学べるオリジナルプログラムも受講いただけます。


ディーキャリア ITエキスパート福岡大濠オフィス
大人の発達障害における自己理解とITスキルの習得を組み合わせた、他にはないユニークなプログラムが特徴です。「パソコンスキルを身に付けたい」「もっと高度なプログラミングを学びたい」など様々な方向けに対応したプログラムを用意しています。


まずは見学から始めてみませんか?
見学・相談は随時受付中!
- 所要時間:約1時間
- 内容:あなたの状況やご希望をお聞きし、支援内容について詳しくご説明
- その後:行政窓口での利用手続き等、スタッフがサポートいたします。
- お申し込み:メール・LINEでのお問い合わせが便利です

「自分に合っているかわからない」「他の事業所との違いを知りたい」
そんな疑問にも丁寧にお答えします。